24.06.2005 よい指導者とは

ここ数年は、道場内では一応高段者という ことで初心者コースを受け持っている。 ま だまだ自分の射が未熟であり、指導の経験 も豊富ではないが、ここでは自分の理想と する指導者について記載したい。

模範となる射が出来る事
これは恐らく最上位に位置するであろう。 もっとも特に弓道を初めて間も無い初心者 は、指導者の射技を計る事が出来ないので 、結局的中の有無に興味が行く。そのため 指導者としては、高い的中率が無ければな らないと考える。ある程度弓道年数が経っ た射手には、指導者の射から、何か感じら れるかという事が重要となってくる。模範 となる射とは、指導者の段位であるとか、 何年弓を引いていると言う事ではなく、指 導者が今までに経験した集大成が模範とな るか、ならないかであると考える。よい指 導者とは同時に優れた射手で無ければなら ないと思う。

指導者の観察力
いかに素晴らしい射をすると言えども、指 導の仕方は教わる側に与える影響は非常に 大きい。弓の上達は本人の自己修得による ところが大きい為に、いかに射手のやる気 を起こさせるか、いかに射手の長所を伸ば す事が出来るか、対話が出来る信頼関係を 築く事が出来るかが上達を促進することに 結びつく。射手の性格、身体的特徴を見抜 き、指導に生かせる目が無ければならない 。

指導姿勢
行射・指導以外での礼節、道具の取り扱い かた等、身を持って範を示す事が重要であ る。そのためには自分が正しい知識を持ち 、正しく実践する事が重要である。指導者 は道場全体の雰囲気をつくる役割もある。 指導の仕方については色々あると思うが、 基本的には自由に引かせる事で、弓道は自 己修行であることを理解させる指導方針が 重要である。行き過ぎた修正は反って射手 の良いところを妨げる事とも為り、修正は 必要最小限度に留めたい。頼まれもしない のに、他人の射に口出しする事は極力避け る。あくまで質問を受ける身で無ければな らないと思う。

正しい指導知識を持つ事
初めから全て正しい知識をもっている指導 者などいないが、基本的な事を質問された 場合に即答できる指導者が望ましい。もち ろん不確かな事柄については、あいまいな 解答を与えずに書籍・又他の指導者に聞い て正しい知識を自分に吸収し、自分の言葉 で伝えることが望ましいと考える。

これからは自分で上記の理想に少しでも近 づけるように努力していきたい。