名古屋で開催された国際弓道連盟主催のセミナーに参加したときの感想をまとめて見たい。今回は前回2023年のフランスで行われた称号者対象のセミナーでの指導と内容は同じで、主に大三の位置と手の内の作り方と働きについての指導が中心であった。前回説明がなく、今回初めて会ったのは、大三では矢の延長線上に脈所が来るようにということであった。これについては個人指導でも指摘があった。
射技について
初めの射技指導では大三での右肘の張りについて指導された。自分なりに射に良い影響を与えるためにはどのようにしたら良いか、再現性を高めるためにはどのように表現すれば良いか考察して見た。まず肩根は押さえたまま右肘を張り上げて前腕をほぼ水平になるようにする。(右の前腕と上腕の角度を狭めるように)両脇を張りながら両手を体から拳一つくらいまで近寄せながら両手首を真っ直ぐに伸ばすと前腕の外側の張りを感じることができる。この張りを活かすためには肩甲骨(両肩の線)を矢に近づけるように体の前方に開きながら右肘をたたみつつ引き納めることが重要。
次に取り掛けの形が会に収まる直前に握り込むように変化していることを指摘された。気をつけてよく見てみると、右手の握り込みだけでなく、左手も握り込んでいるのがわかった。これはしがみつきになり伸びを止めてしまうことにつながりやすい。右手の形を変えずに伸び合うと残心まで止まることなく伸びれ離れが軽くなることが感じられた。
その次は頬付けの位置を下げるように指導された。元々高い方が下筋が使え伸び合いから強い離れに利点ありと思っていたが、両肘を下げることで体との一体感と体重を弓と弦にかけやすいことが体感できた。特に引き分けの最後に縦線を伸ばしながら行うと、両肩甲骨が自然に下方へ誘導され、矢束が取りやすく、矢が下に収めることが容易にできた。体重が上手く弓にかかると弓を握っているという感覚が少なくなり、体で弓を押さえているようで、離れで弓手がブレない。体の後方で弓を引き寄せるのではなく、体の重みで弓が体によってくる感じになり、体の前方を矢筋に開く感覚があった。
最後に打起こしで両肩が上がる点については、円相が崩れるだけではなく、両脇の張りが抜けてしまうので、上肩を体前方に保持し(体に寄せない)脇の張りを意識すると大三へ移行しやすことが分かった。
今回は昔な意識できなくても出来ていたことがいつの間にか出来ておらず、指導を受けて意識してできるようになった事が良かった。無意識で出来ているときは再現性がなく、意識して繰り返しできることが重要である。
体配での注意点
元弭を膝頭に乗せると袴によってはヒレの内側に入ることがある。膝頭の外から乗せると良い。
矢を番える時に筈が見えないように番える。
肌脱ぎ・肌入れが終わって開き足にて的正面に向きを変えるときは右手で2回に渡って弓を左手に差し込む。
肌脱ぎで脇を寛げたあとは肘を張ったまま斜め方向で伸ばしながら袖入れを行う。
左の袖先を袴の下から差し込み、左へ送って先が見えないようにする。
一つ的射礼での留意点
射位から本座へ下がる一歩目は小さく体制の崩れないように。
初めの一歩があることが重要でその後の歩数は合わなくても良い。
射礼では替弓は行わない。(弦ギレ、弓破損等)但し審査の場合は替弦、替弓を行ってもよい。
2人で行う一つ的では、定めの座、本座では1.5人分の距離を取る。乙矢からは通常の2人分の距離を取る。
本座で弓を替える時は、介添えは下から取ると指導された。以前は下から入れて上から取ると指導された。特に弦と一緒に弓を取る場合は上からでしか取れないと思う。