コロナ渦での稽古(葛藤日記)

昨年2020年11月からほぼ6ヶ月はクラブ活動ができない状態であったが、ようやく今週からコロナテストを事前に受ける事と人数制限を設けることによってクラブ活動を再開する事が可能となった。

6ヶ月の間道場を開放して個人的に稽古を行うことは認めていたため、弓暦の若い人が多いので癖がついたのではないかと心配していたが、思った以上に健康状態であったので安心した。これは個人練習で1日最大1時間かしかかけられなかった事で、矢数をかけていなかったとことに起因していると思う。

この期間は普段使用していた2張りの弓が故障し、仕方がないので通常よりも5kgほど強い弓と5kgほど弱い弓を使って稽古した。不幸中の幸か不憫な状況では通常求めてできない事が体験できたと思っている。具体的には、寒い冬に強い弓をいかにして引きこなすか、弱い弓に対して如何に相応の力を使って最大の効果だすかと課題を与えられた事である、ちなみにカケも同時期に変えての稽古であった。

ここ数年は一手ごとに違う弓や矢を使用して変化に対応する技術を習得していたせいもあり、的中に関してはあまり変わらないが、内容は劇的に変わったと感じる。不思議なことに自分の射をビデオで見ると体感では良くなっていると思われるところ(無駄な動きや力の働きの変化が少なくなっていて効率と効果が上がっているように感じる)は外から見てそれほど良くない(弓の力が最大に矢に乗っていない感じ、または弓の復元が冴えていない感じ)と見えることである。体感では理想の方向に行っていると言う自覚があるが、外から見て理想的でなくなっていると言う矛盾が生じている。そういった意味では何かを会得しつつある過程であると確信している。これがいわゆるコンフォートゾーンの外にいる状態であると思い、更に1射毎に感覚と結果の乖離を狭めていきたいと思う。

現状を俳句にしてみると

「弦音よく 素直な矢を見送るも ビデオを見ると力足りなし」

「良い射とは 良射をするよう努力せず 結果として出来た時なり。」