最近は弓道教本を元に初心者に稽古で解説をおこなっている。教本には現代弓道の大枠が記されており、具体的な事柄については、指導者について修練することが望ましいと書いてある。しかし、内容を具体化すればするほど真理から外れる可能性を含んでいるため、どのくらいの抽象度あるいは具体度で指導するかを考える必要がある。
ここで一つ例として射法八節の第一足踏みを挙げてみたい。
「足踏み」は、弓を射る場合、その基礎となる最初の足の踏み方-足構え-である。矢が正しく的にあたるためには、まず正しい姿勢を作ることが必要で、そのためには正しい足踏みをしなければならない。単なる足開きではない。「足踏み」は、射位(弓を射る位置)で脇正面に向かって立ち両足先を的の中心と一直線上に外八文字に踏み開く動作である。その角度は約60度で、両足先の間隔はおよそ自己の矢束とする。(その後は武者系と礼射系の2つの足踏み方法が記されている)
指導の醍醐味は、如何にして本に書いている基本(大枠)を忠実に守りつつ、自ら体現した経験を分かりやすく初心者に伝授することではないかと考えている。 弓道教本について weiterlesen